第1回 全日本実業団サイクルロードレース in 飯田大会

飯田のコースはツアーオブジャパンで使った飯田ステージだとばっかり思っていたが、まったく新しいコースで、スタート後500mで約5〜8%の登りが2km続き、更に200mほどだが15%くらいの登りがある難コース。登りきったあとも狭いワインディングの起伏が繰り返され、後半の2kmが平坦という、とても面白いコースだった。11.5km×10周。

今回も積極的に自分のペースで走ろうと、1周目から集中してレースに臨んだ。そして1周目、筧 五郎選手のアタックを皮切りに、10数名が先行。橋川もこれに加わった。このメンバーは橋川、筧、柿沼、二戸、飯野、選手等が含まれており、先月の丸岡、小川村でも1周目から逃げた「いつものメンバー」も含まれ、ここにセレーノの選手も2名加わっている。このセレーノの選手も先頭交代に加わり逃げに乗っているメンバー全員が「逃げ切る!」という気概を感じた。1周目の通過時点で後続との差は30秒。2周目の通過でも30秒。ここで、先頭集団から数名が遅れ、かわりに新保選手が数名と合流。後続との差はまだ大きく開く事はなく、メイン集団はまだこの逃げ集団を追走していると悟り、橋川を中心にペースを上げ、3周目の通過では一気に1分50秒まで開いた。大きな動きも無く、周回を重ねるうちに、メンバーは絞られ、ラスト4周では橋川、柿沼選手(ミヤタ)、筧選手(安曇野)、清水 裕輔選手(アンカー)、新保選手(アイサン)、飯野(ラバネロ)、二戸(なるしま)の7名に。ここで、登りに入り僕がFメカを変速しようとしたら、チェンが外れたが、他の選手が支えてくれ、かつ、新保選手が「待て!」とペースを落としてくれ、命拾いした。とてもフェアな連中だ。俺もそうありたいと思う。ラスト3周では橋川、柿沼、新保、清水の4名、さらにラスト2周では橋川、柿沼、清水の3名に絞られる、まさにサバイバルレース。そしてラスト2周の登りで柿沼選手が一瞬遅れたタイミングで更にペースを上がり、橋川と清水の一騎打ち。

ラスト1周。登りの入り口で清水選手がペースを上げ、ここで橋川が遅れたが、清水選手のペースも上がらず、約8秒前後遅れて橋川がマーク。頂上付近で清水選手のペースが落ちた事を確認すると一気に追いつき、そのままアタック。しかし清水選手にマークされたが、さらにもう一回アタック。このアタックで清水選手が遅れ、後は約15%の激坂をひたすら踏んだ。登りの頂上で10秒の差をつけ、下りも踏みラスト7kmを独走し、約40秒の差をつけて優勝した。

登りで一瞬遅れたとき「まぁ、仕方ないか。2位でもいいや。でも後続に食われるのは嫌だからもう少し頑張ろう」と開き直り、清水選手のペースで、余裕をもって走れたのが良かった。多分、清水選手は「よっしゃ、ここで一気に引き千切って、俺が優勝だ!」と思って、思い切り踏んでいたんじゃないかな?そして、頂上付近で俺に追いつかれた時は既に足はいっぱいだったのだと思う。結果的にそうなっただけなんだけど、ちょっと遅れた事で、逆にプレッシャーを与え続ける事ができたのだと思う。


この大会で2位〜6位までの平均年齢は22.4歳!若い。久々に若いもんの勢いを感じた。でも35歳の俺が勝つようじゃ、まだまだ!それでも、後続集団から追い上げ3位に入賞した中島選手はいわきの時も、自分からレースを動かそうと、かなり積極的に動いていたから、僕はもちろん他の選手も一目置いていたし、今回の3位入賞も彼の実力だと思うが、もしかしたらそれ以上の実力を秘めているかもしれない。さらに、1周目の逃げに乗ってきたセレーノの選手も、結果的には千切れてしまったけれど、これで良いのだと思う。だって、力の差で負けているんだから、仕方無いじゃない?今回のレースで反省するべきところは反省し、次のレースでもめげずに「勝負」を挑んできて欲しい。集団の中で力を出し惜しみして、実力を発揮できないまま終わっている選手の方が、全然多いのだから・・・。

写真は某氏より、ご提供いただきました。ありがとうございます。