FIA ルノーへの制裁

昨年のF1 シンガポールGPで「チームメイトに勝たせる為に意図的にクラッシュを起こした」と告発があった。詳しい事情は分からないし、その意図的なクラッシュがどれほど危険なものであり、そのクラッシュにより優勝したF.アロンソがどれだけ有利になったかも分からない。けれど、それが誰にも危険を呼び込むものでは無いとしても、それは許されるものでは無い。スポーツはフェアに行われる為に、ルールがある。自転車のロードレースの場合、「ツール ド フランスで誰もドーピングは使っていない」と言ったら間違いなく嘘だろう。しかし、使っていない選手もいると思う。そう信じたい。では、使っていない選手にとってそれは「フェア」かと言えばやはり不公平感はあると思う。でもドーピングを使用している選手は自分の命を削ってリスクを承知した上でドーピングを使用し、他人の命を巻き込むようなものでは無い。

FIAの制裁は指示を出した本人に関しては永久追放としたが、チームに対しては2年間の執行猶予がついた。つまり事実上お咎めなし。それって甘くないか?「他のライバル達の命に危険をさらさなかった」事がこの判決の理由になっているとしたら、「これはアリ」と認める前例を作り、クラッシュを戦略の一つとして意図的に採用するチームも出てくるだろう(既に出てきている)。人が死んでからでは遅すぎる。常に命を預けてリスクを負っているドライバーにこれ以上リスクを負わせてどうする?