ツアーオブジャパン 最終日

hashikawa2009-05-24

TOJが終わった。昨年は直前でレースをキャンセルせざるを得ない状況になってしまったので、僕が走ったのはもう2年前の事だ。最終日の東京ステージで飯島や新城、オーストラリア人2名と8人くらいの逃げに乗り、最後はスプリント。新城が優勝し僕は区間3位だった。新城が仕掛けたタイミングやレース後の会話など鮮明に覚えているのは、僕にとっていろんな意味で「重要なレース」だったからだと思う。その新城 幸也がダンケルクの4日間で総合9位に入ったのは既に知っている方も多いと思う。この数字って日本で聞いたら「へぇ〜」で終わってしまうかもしれないけれど、こっちのレースを知る者にとっては、プロツアー1年目の選手がこの数字を残す事は大変な事で、しかも日本人がやったとなると快挙!と言っても良いと思う。

僕自身、ヨーロッパのプロとして5年をベルギーで過ごしたけれど、常に頭の中で「まだまだだ・・・」って感じていた。その「まだまだだ」の先には市川 雅敏さんの存在があった。その後もメディアが発達してヨーロッパで活動する日本人の選手が広く知れ渡るようになっても、市川さんを超える存在は出てこないな・・・と常に「思っていた」し、事実出てきていないと思う。しかし、ようやく、その可能性を示してくれた選手が現れた。それが新城の残した総合9位だ。ツールドフランスの第一次選考に残ったみたいだし、彼の今の実力なら「実力」でツールのキップを手にし、シャンゼリゼまで帰って来るのはもちろん、ステージ優勝を絡むような走りを期待できると思う。

今日はスペインでレースを走っているのかな・・・体調を崩さないで、是非ともチャンスを掴んで欲しい。

話が大きくそれた。TOJだけど、僕がやっぱり気になっていたのはNIPPO。3月、4月と僕がベルギーでコーディネイトしていた手前、選手が大きく体調を崩して成績を残せなかったのなら、僕自身の責任でもあるわけで、毎日ドキドキしながらPCの前に座っていた。結果は佐野が総合8位。特に評価したいのは東京ステージでの逃げ。ロードレースで「逃げに乗る事」は難しい事では無い。しかし「狙ったレースで狙ったタイミングで逃げる事」がとても難しい。東京ステージでは総合成績の一発逆転もしくは上位へのジャンプアップ、ポイント賞、区間優勝狙いなど、いろんな思惑が絡み合って、激しいアタックが繰り返されたのは想像に難しくない。しかし、総合成績を狙う佐野がレースの流れを大きく変える可能性のある逃げ集団に乗った事は「狙っていた」事であり、簡単にできる事ではない。そのお膳立てをもしかしたら、NIPPOの選手が皆できっちりと仕事をしていたのかも知れないが、もしそうなら、それは、それで、チームの皆がきっちりと仕事をしたことになる。

まだ、佐野も廣瀬もベルギーでその実力を出し切っていない。夏にまた来たのなら、どれだけの結果を残すのか楽しみだ。