北海道 最終日

hashikawa2009-09-13

結果から見て(実際にレースは見ていない)最終日、成功したのはシマノとメイタンで、大失敗したのがアイサンでちょっと失敗したのがドラパックとニッポと言うことだろうか?失敗と言う表現を使って3チームの名前を挙げたけれど、この3チームはまだ良い方で、名前のあがらないチームは箸にも棒にもかかっていないと言う事で、まだこの3チームは「失うものがある」ということだ。ドラパックのデンプスターは途中のHSでマリウスがボーナスタイムを稼いだことで3位の座から4位に落ちた。そして真理が逃げ切った場合、デンプスターはボーナスタイムが稼げなくなるので逆転のチャンスはゼロになる。だから、チームメイトのポロックの逃げを認めると言う事は個人総合3位を捨てて区間優勝を優先させた戦略である。栗村監督のブログによるとラスト2周でポロックは先頭交代をやめる。これも当たり前の事だがここでの誤算はそれでも真理に勝てなかった事。アイサンは団体総合で1位、個人総合2位になっていたが、シマノ2名を逃がしたことで団体総合優勝を逃した。先頭の3名を追う18名の中には先頭の3名を追う理由のあるチームはメイタン(個人総合1位)、アイサン(団体総合1位+個人総合2位)、ニッポ(個人総合3位)と区間優勝を狙っている選手たち。しかし、ニッポはマリウスが一人しかいなかった。もし、マリウスがローテーションに加わって、先頭の3名を吸収したところで、21名のスプリントで着外、そしてデンプスターがボーナスタイムを3秒以上稼いだ場合(2位以上?)暫定3位の総合をまた落としてしまう。それならばこの状況でイチカバチカで勝負できるとしたら、前が吸収された場合に区間優勝を狙っていく戦略を選んだのだろう(結果的にはそうはならなかったが、判断は間違っていないと思う)。そして追撃の3名を送り込んだアイサンだが、盛はローテーションに加わっていたのだろうか?もし加わっていたのなら自分が総合順位を落とすリスクを抱えながら、チーム団体1位を優先させて追っていた事になるし、もし、ローテーションに加わっていなかったのなら、1秒差で後ろにいるマリウスに総合順位を逆転される事を恐れてローテーションに加わることができなかった事になる。リザルトだけを見るとメイタンの晋一が集団からも遅れているところを見ると、本気でメイタンの清水と福島が追っていたのだろう。3名がその差を少しずつ広げている時は、追撃集団にいる誰もが「メイタンを利用できるだけ利用しよう」と考えていたに違いない。しかし、実際は集団ゴールにすれば区間優勝しても総合優勝の逆転は無理なんだし、その前に目前に迫る危機に気付くのが遅かったのではないか?メイタン2名+アイサン2名 Vs シマノ2名+区間優勝狙いであまり積極的でないオーストラリア人1名なら、もう少し手の打ちようはあったように思う。

僕がレース後、このように「あーでもない」「こーでもない」と言うのはとても簡単なことだ。しかし、実際にレース中もしくはレース後、それに気づいている選手は意外と少ないように思う。ただ、レースが終わり「残念でした」「でも精一杯やりました」とか、怒りを感じてただその怒りをぶつけるより、「なぜ?」をひたすら深く考えて欲しい。もっと違った、もっと自分の求める結果に近づく事が出来ると思う。

*写真は2000年のツールド北海道。第2ステージでリーダージャージを獲得したが、翌日の午前中に行われたTTでカナダの個人TTオリンピック代表 エリック ウォルバーグに8秒差で逆転され、個人総合2位に転落。午後のステージはクリテリウムだったが、カナダ人がさらに攻撃してきて、カナダ人と三浦 恭資さんと+1名の3名の逃げを逃し、彼らが逃げ切ると別のカナダ人がリーダーになる可能性があり、僕の個人総合優勝のチャンスはさらに遠くなってしまう。無線もあったしチームでのミーティングで戦略等も話し合ってはいたが、事がうまく運ばない時は自分から動くしかない。