マッサー

不思議な縁が沢山ある。僕の高校の同級生で3年生の時に同じクラスだった宮島 正典は今、イタリアのプロチームでマッサーとして契約している。ヨーロッパでマッサーとして生計を立てる事は並の努力と技術だけではやっていけない。仮にプロツアーチーム+プロコンチネンタルチームに所属する選手が総勢1000人以上いるとすれば、年間契約し生計を立てているフルタイムプロマッサージャーは多分その5分の1もいないだろう。日本人にとって…ではなく、イタリア人にとってもベルギー人にとっても自転車のプロチームで生計を立てる事は大変なことなんです。

宮島君は来年またイタリアに行くそうです。頑張って欲しいなぁ〜〜

思えば…
橋川「海外に行った事ある?」
宮島「あるよ。バカにすんじゃねぇ!」
「じゃ、車の運転は?」
「あるよ。ハワイでレンタカー」
「ベルギー来ない?」
「・・・・」

と自転車の世界に引き込んだのは14年前の僕でその時は僕も「雇用」する立場として、どのように接したら良いか分からず、彼に余計な負担をさせてしまった。それでも彼は食いついて最後まで頑張ってくれた。「当時、苦労をさせた経験が今生きているハズ」とは言えない。それほど僕は人使いが荒かったし、屈折していた(笑 でも、今言えるのは「きっと、今の若い世代の子達にはついてこられなかった」だろうと思う。ホント、よく頑張ってくれたと思う。

ベルギーに到着して3日後。チームのプレゼンが自宅から60kmのところで行われ、プレゼン後「自走で帰宅するから…」と車のキーと車と宮島を会場に残し泣きそうな顔になっていた宮島に「車の運転した事があるんだろ?」と意地悪な事を言い残した事もあったけ。それでも彼は地図を見ながら自宅まで帰ってきてくれた。ナビも携帯もインターネットも無かった時代である。

僕が全日本プロ選手権で優勝した時は宮島君はベルギーに残してきたのだが、僕が優勝の報告をしたそのすぐ後に、僕の友達の家を回って一緒に喜びを分かち合ってくれたらしい。

その根性と真面目さと誠意がイタリア人にも伝わるんだろうね。