例のマリンのMTB。写真に写っていたカンパのグリップは「バレットシフター」と呼ばれるカンパのMTBコンポーネントだったのですが、このMTBに組み込む予定のクランクがコレ。カンパニョーロ ビクトリー のクランクです。ロード用ですがPCDは116mm。子供用のロードバイク用のクランクとかに使われる35T前後のギア板を取り付けることができます。今で言うコンパクトクランクですね。さらにクランクのフィキシングボルトがワンキーレリーズ構造だったり、それが7mmのヘックスだったり、さらにコッタレス抜き工具が逆ネジだったり…

80年代のカンパって、それまでの威光と勢いで「やりたい放題」やっていたのだけど、この辺を境にシマノに追いつかれ(抜かれ?)葛藤しながら、迷走している製品が出てきます。

シマノがデュラEXやAXでワンキーレリーズを採用すれば、カンパも追随するように採用し(・・・しかし一般的じゃない7mmのアレンキー!「シマノはトルクがかけられないけれど、カンパはかけられる!」とでも言いたいのだろうか?)、デルタブレーキだったり、シンクロだったりカンパが迷走した挙句に、使い難いながらも魅力あるパーツを多数製造しているのもこの頃です(使い難いながらも魅力を感じるのは今の時代だからこそかな?(笑)。また、この後の世代なると、カンパのマークが刻印からプリントに変わっていきます。コストとかもMade in Japanに押され、イタリア的美意識の方向性が変わっていきます。

このクランクをはじめて見たのは多分、中学生の頃だと思うけれど、ずっと「カッコ悪い!」って思ってましたが、今見ると直線的で、コンパクトなアームは愛嬌があって好きです。