僕の所に怪物ゾナーがやってきた! 象印のポットのような大きな革製のケースに鎮座し、重量約2kgもあるこのCarl Zeissファミリーの300mm F4レンズはまさしく怪物。東西前の旧東ドイツ製であるDDRの刻印がまた自転車好きの僕にとって、「怪物」のイメージを色濃くする。ロードレースの世界で「重量」は悪だけど、光学機器であるカメラの場合「善」である場合が多い。

普段、自転車レースの写真を撮る時の多くはZuiko 50-200mmの「竹」レンズを使っているのだけど、ゴールシーンとかもうちょっと寄りたい…時に35mm換算で400mmでもちょっと足りない。色々と考えた末に300mm 2.8 の「松」レンズに辿り着く。価格コムでの最安値650,000円也。自分がこれまで使っていた…と言うか
サポートを受けていたロードレーサーに比べれば安いもんなのだが(ここであらためてスポンサー様にお世話になっていたなと感謝しております)、自腹で買う…しかもこれを買ったところで我が家に収益が見込めない=趣味=のものに650,000円も出せるほど甲斐性があるわけではない。

で、一つのアイディアとして…MFのレンズはどうだろうと結論に達し、どうせならCarl Zeiss様にお越しいただこうとなったわけだ。どうせ、ゴールシーンはMFで撮る事が多かったし…そこでネットで見つけてお越しいただいたのが「ペンタコン」マウントの「Sonnar 300mm F4.0」。お値段は小市民特価。フォーサーズ用のアダプターも手配して、その実力を見る日を楽しみにしていたのだが、「ペンタコン」マウントの筈が、ペンタコンではない!う〜ん…スクリューマウントでなんだけど、M42 なんかとは径がもピッチも大きく違う…多分中版用のレンズだと思うのだけど(…キエフ 88マウント Bタイプかな? こりゃまた戦闘機のような名前でカッコイイ)…状態が良いし、お値段が破格なのでアダプターさえ手に入ればそのまま使おうか(…どうせなら キエフの中版カメラとレンズも欲しい…)と思案を巡らせたのだが、結局「キエフ 88 マウント Bタイプ」がどのようなマウントなのか…この怪物ゾナーが何マウントなのか分からなかったので、お引き取りしていただく事にした。

仮に…ゾナーさんがウチのカメラケースに収まろうもんなら、きっとキエフさんと愉快な仲間たちも増えていくことは目に見えていたので、これはこれで良かったような気がする。うん、そう言う事にしよう。

でも、ゾナーさんの怪物ぶりを見ることなくお別れしたのはちょっと心残りでした…


E-3 + OM Zuiko 50mm F1.4